作品紹介


『NO』La VENIDERA 来日公演
初演|Centro Danza Matadero(マドリード,2025)
振付・演出・出演|La VENIDERA(イレネ・テナ、アルベルツ・エルナンデス)
サウンドデザイン・出演|デレク・バン・デン・ブルケ
芸術監修|マルコス・モラウ
”なぜなら芸術は、現実世界を否定することで存在しうる場所なのだから ” ― Mark Manson
スペイン国立バレエ団を離れて初めての作品に、二人はNOというタイトルをつけた。作品概要にはマーク・マンソンの詩が添えられている。NOということばには、否定や拒絶だけではなく「空っぽにする」「無になる」という意図が込められているようだ。
本作品は、スペイン舞踊の世界でも近年盛んになってきたコンテンポラリーダンスの流れを汲んでいる。スペイン舞踊ときいて一般的に想像されるものとは違うかもしれないが、ベースにはたしかにスペイン舞踊がある。見る人によってはコンテンポラリーダンス作品と感じるかもしれないし、スペイン舞踊、フラメンコだと感じてもよい。彼らのなかには、そしてこの作品には、そのすべてがある。
音楽ではデレク・バン・デン・ブルケが出演。時に気配を消すように音の風景を舞台にしのばせ、時に二人のダンスと鋭く呼応し、舞台上に緊張感を生み出していく。楽器はなく電子機器による演奏でありながら、その瞬間にしか生まれない“生演奏”の醍醐味を存分に感じさせる。
『NO』には、マルコス・モラウが参加したことでも注目を集めた。しかし、モラウにすべてを委ねるのではなく芸術監修にとどめたところに、彼らの振付家としての意思を感じる。ラ・ベニデラの二人は、古典といわれるスペイン舞踊の名手であると同時に、スペイン舞踊を新たな時代へと導く振付家・ダンサーであることを、『NO』は鮮やかに示した。
本作でLa VENIDERAはスペイン国営放送の2025年El Ojo Crítico賞(”批評家の目”賞)を受賞。2025年の初演以来、スペイン国内をはじめヨーロッパ各地の劇場で上演が続いており、美術館や屋外スペース等で行われる短縮版(Pieza Corta)も好評だ。さらに現在、MAX賞で4部門ノミネート、ゴドー賞では3部門でノミネートされ、結果はいずれも6月に発表となる。ゴドー賞では、ロシオ・モリーナ、イスラエル・ガルバンと並んでのノミネートとなり、賞の行方に注目が集まっている。
アーティスト紹介
La VENIDERA/ラ・ベニデラ
(左) Albert Hernámdez/アルベルツ・エルナンデス
(右) Irene Tena/イレネ・テナ

(写真ⒸMaria Alperi)
La VENIDERA ―”来たるもの”
その名のとおり、スペイン舞踊とフラメンコの新たな地平を切り拓く二人。
現在、スペインのダンス界において、最も将来を嘱望されるユニットのひとつ。
バルセロナ出身のイレネ・テナとアルベルツ・エルナンデスは、伝統と現代性のあいだの”摩擦点”を探りながら、90年代後半生まれならではの現代的な視点を作品へと取り入れている。彼らの作品には、細部へのこだわりや職人的感覚、手仕事への愛着が感じられ、テクノロジー全盛の目まぐるしい時代の中にあって、「間」や「立ち止まること」の価値を大切に見つめている。
二人は2016年に、アントニオ・ナハーロ監督時代のスペイン国立バレエ団に入団。後にルベン・オルモ監督のもとで、アルベルツは第一舞踊手(プリンシパル相当)、イレネはソリスタとして活躍。マルコス・モラウ振付・演出によるスペイン国立バレエ団の話題作『Afanador(アファナドール)』では共にメインキャストをつとめ、鮮烈な印象を残す。2024年に退団した後は、La VENIDERAとして独自の活動を展開する一方、スペイン国立バレエ団の『Afanador』にゲストダンサーとして出演を続けている。
また、振付家としては、スペイン国立バレエ団やアンダルシア舞踊団など、スペインを代表する舞踊団の振付を手がける他、アルフォンソ・ロサ等のフラメンコダンサーからも振付家やアドバイザーとして招かれるなど、多方面から絶大な信頼を得ている。
≪主な活動・受賞歴≫
・ 初作品『Loca』により、アルベルツがマドリード振付コンクール最優秀振付賞受賞(2019)、 イレネがAISGE財団賞(傑出した女性ダンサー)を受賞(2019)、Rotterdam International Duet Choreography Competition(RIDCC)で観客賞を受賞(2023)
・ 『Loca』と『Paseantes』がRed Acieloabierto(スペイン各地の屋外ダンスフェスティバルネットワークの選抜作品)に選出され、Mas Danza等スペイン各地のフェスティバルに出演(2023)
・ Fundación Juan March制作、ラ・アルヘンティーナのドキュメンタリー映像作品に振付・主演(2024)
・ Hermès(エルメス) のプロジェクト Une nuit d’été に振付・出演(2025)
・ スペイン国立バレエ団『Afanador』(振付・演出 マルコス・モラウ)によりアルベルツがMAX賞最優秀男性ダンサー賞にノミネート(2025)
・ 『NO』により、スペイン国営放送のEl Ojo Crítico賞(”批評家の目”賞)を受賞(2025)
≪振付け≫
・ スペイン国立バレエ団の『Sevilla』を創作(2020)
・ パトリシア・ゲレーロ率いるアンダルシア舞踊団作品『Pineda』にゲスト振付家として参加(2024) Talía賞・最優秀振付賞にノミネート(2025)
Derek Van Den Bulcke/デレク・バン・デン・ブルケ

(写真ⒸJose Flores)
フラメンコ文化と現代アートを結ぶ音楽プロデューサー兼、映像アーティスト。
DJ、ノイズ、サウンドデザインなど活動は多岐にわたり、ロシオ・モリーナらとも共演。音楽、映像、ダンスを横断しながら、純粋なフラメンコを現代的な感覚と融合。感情やリズムを再構築することで、観客を没入型の体験へと導く。その多文化的かつ実験的なアプローチは、フォルクローレを芸術や文化の領域を超えた「対話のためのプラットフォーム」として再定義する試みである。
テクノロジーと革新的な手法を用いながらも、伝統の本質を失うことなく未来へとつなぐアーティストとして、大きな注目を集めている。
開催概要
■ 開催日時
9月18日(金)19:30 開演
9月19日(土)17:00 開演
※上演時間 約60分
※開場は開演の30分前
■ 会場:セシオン杉並ホール
→ アクセス
東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩5分、「新高円寺駅」徒歩7分
■ チケット(全席指定)
→販売サイトへはこちらから
[前売り](税込み)
S席 12,500円、A席 9,800円、B席 7,000円
車いす席・配慮席、親子席 4,000円
[当日券](税込み)
S席 13,000円、A席 10,000円、B席 7,500円
※車いす席・配慮席、親子席はお問合せください
■主催・制作|DESEADO(デセアード)
■ お問合せ
DESEADO(デセアード)公演事務局
メール:info@deseado.tokyo
電話:070-9043-7921
作品データ
―― 東京公演テクニカルスタッフ ――
[舞台監督]やまだてるお(momoプランニング)
[照明]森下泰
Light Ship
[音響]伊藤秀輝(共立)
[リギング・舞台装置]Kevin Yobánolo
[音響・照明・映像]Eugeni Alsedà
―― 制作 ――
[主催・制作]DESEADO(デセアード)
[コーディネート]Lola Ortiz de Lanzagorta (New Dance Management)、佐渡靖子(DESEADO)
[制作協力]中西ゆかり、Rafael Heredia
―― 作品データ ――
[作品名]NO (初演:Centro danza Matadero,2025年)
[振付・演出・出演] La VENIDERA(ラ・ベニデラ)
(Irene Tena(イレネ・テナ), Albert Hernández(アルベルツ・エルナンデス))
[芸術監修] Marcos Morau(マルコス・モラウ)
[オリジナル楽曲・作曲] Manuel Urbina(マヌエル・ウルビナ), Derek Van Den Bulcke(デレク・バン・デン・ブルケ)
[ライブ演奏・出演] Derek Van Den Bulcke(デレク・バン・デン・ブルケ)
[フラメンコ音楽アドバイザー] Marco Flores(マルコ・フローレス)
[特別協力 (声)] Gabriel de la Tomasa(ガブリエル・デ・ラ・トマサ)
[テキスト] Irene Tena(イレネ・テナ), Albert Hernández(アルベルツ・エルナンデス)
[ステージデザイン] Paula González(パオラ・ゴンザレス)
[照明デザイン] Gabriela Bianchi(ガブリエラ・ビアンチ)
[音響デザイン] Carlos Parra(カルロス・パーラ)
[衣装デザイン・製作] SantaMarta(サンタマルタ)
[エグゼクティブ・プロデューサー] Paola Villegas(パオラ・ビジェガス),Gabriel Blanco(ガブリエル・ブランコ), Andrea Méndez (Spectare)(アンドレア・メンデス)
[マネジメント・配給] Lola Ortiz de Lanzagorta (New Dance Management)(ロラ・オルティス)
[共同制作] Centro danza Matadero, Festival Grec y fira Mediterrània de Manresa
[協力] CAM, INAEM
[謝辞] Centro Coreográfico María Pagés, Ballet Nacional de España,Escuela de Danza Triana (Fuenlabrada, Madrid), Teatro Tomás y Valiente (Fuenlabrada, Madrid) y Teatre Núria Espert (Sant Andreu de la Barca, Barcelona
